うなぎはコレステロールを下げる魚!悪玉コレステロールが上がると誤解される理由

うなぎはコレステロールを下げる魚!悪玉コレステロールが上がると誤解される理由

土用の丑の日になると、うなぎが食べたくなるという人も多いですよね。
うなぎはとても美味しいのですが、コレステロールが高い食べ物としても名を上げる食品です。

健康診断などでコレステロール値を注意された人は、食べることを控えているかもしれません。

しかし実は、うなぎはコレステロールを下げる魚でもあることをご存知でしょうか?

そこで今回は、うなぎとコレステロールの関係について、詳しく解説をしていきます。

うなぎを食べると、コレステロール値がうなぎ登り?

うなぎを食べると、コレステロール値がうなぎ登り?

うなぎを食べると、コレステロールも高くなるのでは?と思われている方も多いことでしょう。

確かに、うなぎはコレステロールが豊富に含まれています。

では、うなぎにはどれくらいのコレステロールが含まれているのでしょうか。

うなぎはコレステロールを多く含む食べ物

うなぎはコレステロールを多く含む食べ物

うなぎはコレステロールを多く含む食べ物です。
コレステロールの多い卵と比べても、同等のコレステロール量となっています。

うなぎ(1食80g) エネルギー204kcal/コレステロール184mg
卵(1個50g) エネルギー76kcal/コレステロール210mg

 

コレステロール量は、あなごの1.5倍

あなごと比べると、うなぎのコレステロール量は約1.5倍もあります。

うなぎ(1食80g) エネルギー204kcal/コレステロール184mg
あなご(1食80g) エネルギー129kcal、コレステロール112mg

 

特にコレステロールが多いのは、うなぎの肝

うなぎの中でも、特にコレステロールが多い部位は、うなぎの肝です。

うなぎのコレステロール量 100gあたり230mg
うなぎの肝のコレステロール量 100gあたり430mg

 

うなぎのコレステロールは、そのまま吸収されるわけではない

ここまで見てきたように、うなぎのコレステロール量が多いことは事実なのですが、
食事のコレステロールが、そのまま血液中のコレステロールになる訳ではありません。

食事で摂取されるコレステロールは、わずか20%

食事から摂取したコレステロールが、すべて血液にいくわけではありません。
実は血液中のコレステロールに影響を与えるのは、全体のわずか20%です。

コレステロール量の多い食品を摂ったとしても、それが原因とは限らないのです。

コレステロールの約80%は、体内で作られる

コレステロールの約80%は、肝臓で生成されています。
肝臓はコレステロールが多く摂取されると、生成するコレステロール量を抑えます。
そして、血液中のコレステロール量が少なくなると、コレステロールの生成を活発化します。

つまり、肝臓はコレステロールの量に応じて、バランスを調整しているのです。
そのため、食事で摂ったコレステロールが多くても、影響を与えにくいということが言えるのです。

さらに、うなぎを毎日食べるという人は、ほとんどいないと思います。
食べても、年に2~3回程度の方がほとんどでしょう。
そのため、うなぎのコレステロールが体内のコレステロール値を上げるとは言い難いでしょう。

摂取されるコレステロールより、作られるコレステロールが重要

ここまで説明してきたように、食事で摂取するコレステロールよりも、肝臓で作られるコレステロールが重要となります。

肝臓で作られるコレステロールの材料は、脂質です。
うなぎには、100gに約24gの脂肪が含まれています。

では、うなぎの脂肪はコレステロールに影響を与えるのでしょうか。

うなぎの脂肪は、コレステロールを下げる油

うなぎの脂肪については、コレステロールを逆に下げる効果がある油なのです。
この油の正体は「不飽和脂肪酸」です。
うなぎには、不飽和脂肪酸の中でも、多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。

コレステロールを下げる油、不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸とは、食事で摂ったコレステロールを、血液中に吸収される前に体外へ排出する働きをします。
不飽和脂肪酸の中でも、多価不飽和脂肪酸は、DHA・EPAというコレステロールを下げる働きをする油です。

コレステロールが多いといわれる卵と、多価不飽和脂肪酸の量を比べてみましょう。

うなぎ(1食80g) 多価不飽和脂肪酸2.31mg
卵(1個50g) 多価不飽和脂肪酸0.83mg

いかがですか?
うなぎの多価不飽和脂肪酸は、卵と比べても約3倍も含まれていることが分かりますね。

うなぎの脂肪が悪玉コレステロールを下げる仕組み

では、うなぎの脂肪が、悪玉コレステロールを下げる仕組みについて見ていきましょう。

うなぎの脂肪が悪玉コレステロールを下げる理由としては、次の2つがあります。

①中性脂肪を下げる働き

②血液をサラサラにする働き

① 中性脂肪を下げる働き

うなぎに含まれる脂肪には、DHAとEPAが多く含まれていますが、中性脂肪を下げる働きがあるのは、EPAです。

EPAは、食事からの中性脂肪の吸収を抑制します。
また、中性脂肪を増やす酵素の働きを抑制し、中性脂肪を消費させる酵素の働きを促進します。

中性脂肪はコレステロールの材料ですから、中性脂肪が少なくなれば、肝臓で作られるコレステロールも減るということになるわけです。

中性脂肪の増加=悪玉コレステロールの増加

また、逆に中性脂肪が増加すると、悪玉コレステロールが増加する原因にもなります。

中性脂肪は、血液中に単体で存在することができません。
血液中に溶け込むためには、悪玉コレステロールと結合する必要があるのです。

つまり、中性脂肪が多いほど、悪玉コレステロールが必要となるため、中性脂肪の増加は、悪玉コレステロールまで増加させてしまうことになるのです。

うなぎに含まれるEPAによって中性脂肪自体を減らす効果があるということは、悪玉コレステロールの増加も防ぐことに繋がるわけですね。

② 血液をサラサラにする働き

また、DHA・EPAは血液をサラサラにする働きを持っています。

これは、DHAの持っている細胞膜のリン脂質に入り込む作用によって、血管壁や赤血球を柔らかくするためです。
また、EPAによる高い血小板凝集抑制作用によって、血栓が作られるのを防ぐことができるため、血流がよくなり、サラサラの血液になるのです。

悪玉コレステロールが問題視される理由は動脈硬化

悪玉コレステロールが増えることで問題視される理由は、動脈硬化の危険性が高まるためです。

動脈硬化は、血液の流れが悪くなることで起こります。
つまり、ドロドロになった血液が原因なのです。
このドロドロ血液になる原因としては、コレステロールが赤血球や血小板に付着することで起こります。

赤血球や血小板がコレステロールとくっつくことで、大きな粒となり、血管が詰まりやすくなってしまうのです。

しかし、うなぎに含まれるDHA・EPAは血液をサラサラにする働きによって、動脈硬化を防ぐことができます。

DHA・EPAの推奨摂取量は1日1000mg

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」2010年版では、DHA・EPAの摂取目標量は、1日1,000mgとなっています。

しかし、1日1,000mgものDHA・EPAを摂ることはなかなかできません。
そんな中でも、含まれているDHA・EPA量を考えると、うなぎはとても優秀な食べ物なのです。

うなぎ1つでDHA・EPAの推奨摂取量をクリア!

うなぎの蒲焼き1切れのDHA・EPAの量は、次の通りです。

EPA 1125mg
DHA 1950mg

たった1切れで、十分なDHA・EPAの推奨摂取量をクリアできてしまいますね。

土用の丑、うなぎは栄養が豊富!

昔から、夏の土用の丑の日は、うなぎを食べるという習慣がありますね。これは、うなぎに含まれる豊富な栄養を摂って、厳しい暑さを乗り切ろうという意味合いもあるのです。

うなぎには、ビタミンA、ビタミンE、ミネラルが豊富に含まれています。ビタミンAやビタミンEは、抗酸化作用や疲労回復効果がありますので、まさに夏の土用の丑の日には、ぴったりの食べ物と言えますね。

抗酸化作用が悪玉コレステロールに効果アリ

ビタミンAやビタミンEには、抗酸化作用がありますが、この抗酸化作用が悪玉コレステロールに効果があります。

悪玉コレステロールは、コレステロールを体の隅々まで運ぶ役割をしており、悪玉コレステロール自体が悪いものではありません。しかし、体内に活性酵素が多くなると、活性酵素が悪玉コレステロールを酸化させて、酸化悪玉コレステロールに変化させてしまいます。

酸化悪玉コレステロールは、血管に傷をつけたり硬くしたりするため、血管自体が弱くなってしまうことになります。

また、活性酵素が血中に増えると、脂質に活性酵素が反応することで、過酸化脂質がつくられます。この過酸化脂質は、付着する性質が強いため、血管の壁に付着し続けてしまいます。

こうなると血液の流れが悪くなってしまい、悪玉コレステロールをさらに増加させてしまうことになるのです。

抗酸化作用のあるビタミンAやビタミンEは、活性酵素の働きを抑える効果がありますので、血管を弱らせてしまったり、血管の壁に付着したりすることを防ぐことができるのです。

うなぎの蒲焼きに含まれるビタミン

先にもお伝えしたように、うなぎには豊富な栄養が含まれています。
では、うなぎの蒲焼きに含まれるビタミンはどれくらいなのか、表で確認していきましょう。

<鰻の蒲焼き:150g(1切れ)あたりのビタミン>

100gあたり 一食当たりの摂取目安
ビタミンA 2250μg 221μg
ビタミンD 28.5μg 1.8μg
ビタミンE 7.35mg 2.2mg
ビタミンB1 1.13mg 0.32mg
ビタミンB2 1.11mg 0.36mg
ナイアシン 6.15mg 3.48mg
ビタミンB6 0.14mg 0.35mg
ビタミンB12 3.3μg 0.8μg
葉酸 19.5μg 80μg
パントテン酸 1.94mg 1.5mg
ビオチン 15.6μg 17μg

<鰻の蒲焼き:150g(1切れ)あたりのミネラル>

100gあたり 一食当たりの摂取目安
ナトリウム 765mg ~1000mg
カリウム 450mg 833mg
カルシウム 225mg 221mg
マグネシウム 22.5mg 91.8mg
リン 450mg 381mg
1.2mg 3.49mg
亜鉛 4.05mg 3mg
0.11mg 0.24mg
ヨウ素 115.5μg 43.8μg
セレン 63μg 8.3μg
クロム 3μg 10μg
モリブデン 3μg 6.7μg

粘膜の潤いを保ってくれるので、病原菌の侵入を防ぐ効果があります。
また、目の健康維持や、皮膚・爪を丈夫にする、免疫力を上げる、動脈硬化を予防するなどの効果もあります。


・ビタミンE

抗酸化作用がありますので、アンチエイジングに効果があるとされています。
また、美肌効果や更年期障害の軽減、冷え性改善、血管を若々しく保つなど、特に女性には嬉しい効果がたくさんあります。

うなぎ、アーモンド、アボカド、かぼちゃなどが、ビタミンEを多く含む代表的な食品です。
ただし、ビタミンEは摂り過ぎると下痢などの原因にもなってしまいます。

適量(成人1日あたり8mg)を目安に摂るようにすることが大切です。
また、ビタミンEの抗酸化作用を高めるビタミンCを一緒に摂ると効果的です。


・ビタミンB1

疲労回復や食欲増進、夏バテ予防、精神安定に効果があります。
不足すると疲労感や筋肉痛などが引き起こされやすくなります。


・ビタミンB2

髪や皮膚、爪の健康を保ってくれます。
口内炎の予防やダイエットにも効果的です。


・ビタミンD

カルシウムを作ったり運んだりしてくれるので、丈夫や歯や骨を作ってくれます。
骨密度のアップや筋力の維持にも効果的です。


・コラーゲン

うなぎの皮にたくさん含まれています。
皮膚の主成分であり、美肌には欠かせない存在です。


・ミネラル

骨を丈夫にするカルシウム、美肌や髪の毛の健康を作る亜鉛、貧血を予防する鉄など、身体に必要不可欠な栄養素の総称です。
ミネラルバランスが狂うと、身体の生理機能に異常をきたしてしまいます。

うなぎを食べても、コレステロールを心配する必要はありません!

うなぎ自体はコレステロール量が多いとはいえ、コレステロール値への影響を心配をするレベルではありません。

実はうなぎ自体よりも、炭水化物などの食べ合わせの方が問題なのです。

炭水化物など、食べ合わせの方が問題

一般的にうなぎを食べるときには、うな重のようにご飯の上にうなぎの蒲焼きをのせて食べることが多いですね。

では、うな重1人前の栄養成分はどのようになっているのでしょうか。

<うな重:一人前 353gの栄養成分(鰻の蒲焼=70g)>

100gあたり 一食当たりの摂取目安
ナトリウム 765mg ~1000mg
カリウム 450mg 833mg
カルシウム 225mg 221mg
マグネシウム 22.5mg 91.8mg
リン 450mg 381mg
1.2mg 3.49mg
亜鉛 4.05mg 3mg
0.11mg 0.24mg
ヨウ素 115.5μg 43.8μg
セレン 63μg 8.3μg
クロム 3μg 10μg
モリブデン 3μg 6.7μg

中性脂肪を増やす成分は、脂質と糖質

上記の表を見てみるとわかるように、脂質と糖質(炭水化物)が多いですね。
実は、中性脂肪を増やす成分は、この脂質と糖質なのです。

中性脂肪が増えると、悪玉コレステロールが増える原因になります。
そのため、コレステロール値を増やしてしまう原因となってしまうのです。

食べ過ぎこそ、中性脂肪が増える原因

また、食べ過ぎが中性脂肪を増やす原因ともなります。

中性脂肪=(摂取カロリー)-(消費カロリー)

つまり、食べ過ぎによって、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで、中性脂肪が増えてしまうということなのです。

うな重などは、炭水化物の上にうなぎの蒲焼きがのっていますので、食べ過ぎると糖質の摂りすぎとなってしまいます。

うなぎを食べるなら、どの方法が効果的?

では、うなぎを食べるのであれば、どうやって食べるのが良いのでしょうか?

うなぎの蒲焼きの栄養成分

うなぎの蒲焼きは、うなぎの白焼きにタレつけて焼いたものですね。
最近では、うなぎの稚魚が不良となっていることから、うなぎの価格は上昇しており、購入しづらくなっています。

では、うなぎの蒲焼きの栄養成分について見てみましょう。

<鰻の蒲焼き:150g(1切れ)あたりの栄養成分>

エネルギー 440kcal
タンパク質 34.5g (138kcal)
脂質 31.5g (283.5kcal)
炭水化物 4.65g (18.6kcal)
脂肪酸 飽和 7.98g
脂肪酸 一価不飽和 14.78g
脂肪酸 多価不飽和 5.09g
脂肪酸 総量 27.9g
n-3系 多価不飽和 4.31g
n-6系 多価不飽和 0.8g
EPA 1125mg
DHA 1950mg

うなぎの白焼きの栄養成分

うなぎの白焼きは、処理したうなぎをそのまま素焼きにしたものです。
作り方は、開いたうなぎに串内し、火であぶります。
これにタレとなる調味料をつけて焼いたものが、一般的なうなぎの蒲焼きになります。

では、うなぎの白焼きの栄養成分について見てみましょう。

<鰻の白焼き:150g(1切れ)あたりの栄養成分>

エネルギー 497kcal
タンパク質 31.05g (124.2kcal)
脂質 38.7g (348.3kcal)
炭水化物 0.15g (0.6kcal)
脂肪酸 飽和 9.89g
脂肪酸 一価不飽和 17.93g
脂肪酸 多価不飽和 4.65g
脂肪酸 総量 32.46g
n-3系 多価不飽和 3.41g
n-6系 多価不飽和 1.13g
EPA 765mg
DHA 1650mg

うなぎは蒲焼きの方がヘルシー

うなぎの蒲焼きと白焼きを比べてみると、実は蒲焼きの方がヘルシーです。

DHA・EPA含有量 蒲焼き>白焼き
カロリー 蒲焼き<白焼き

DHA・EPAの含有量は蒲焼きの方が多いですし、カロリーも白焼きの方が高くなっています。

そうとはいっても、うなぎの蒲焼きはカロリーが高く、ダイエット中の食事には向きません。
中性脂肪の増加を防ぐためにも、うなぎの蒲焼きは食べ過ぎないことが大切です。

しかし、頻繁に食べるものではないことを考えれば、それほど気にならないとも言えます。
うなぎを食べるなら、コレステロールを気にして食べるより、おいしく食べたいものですね。